プロが教える!上手なガラスの梱包の方法-引っ越しやフリマサイトでも安心!

プロが教える!上手なガラスの梱包の方法-引っ越しやフリマサイトでも安心!

グラスやお皿などの食器類、フォトスタンドなどガラス製のものを梱包する際は気を遣うものです。お気に入りならなおさらですよね。

お引越しの際は、業者さんにお願いする場合もあるかと思います。
また、最近ではフリマサイトで個人宛に配送するケースも増えてきました。

年間約5,000カートン分のガラス製品を梱包して出荷しているTomi Glassスタッフが、ガラスの梱包方法コツを伝授します

富硝子では年間、約5000カートン分のガラス製品を梱包して出荷しています。
特に割れやすい食器の代表!ともいえるグラスも毎日のように梱包。
ガラス屋ですので、お客様に安全に割らずにお届けするのは当たり前!
引っ越し業者さんも知らない、ガラス屋ならではの梱包のヒミツ、大公開します。

 

ガラス製品を上手に梱包するコツ~概要編~

ガラス-梱包-コツ

引っ越しを経験した事がある方なら、食器の梱包はこまごまとした単調作業のわりに壊れるリスクが衣類などに比べて大きいため、苦手な方もいるかもしれません。まして、ケガをしたら一大事!でもコツさえおさえれば、割れずに安心して梱包できます。上手にラクして梱包しましょう!

運送中に食器同士が当たってキズやヒビが入った・・・。なんて悲しい事が起こらないように。思い出の品が無事にお届けできるようにガラスのプロがその梱包方法とコツを伝授します。

 

Step 1  梱包素材を準備しよう

スムーズな梱包のためにはまずは準備!
身近にあるものが基本ですが、100均で揃えられる物、あえてプロ仕様のものもおススメグッズとしてご紹介します。

  • 新聞紙、チラシ

ご自宅に古新聞がある方は、基本はこれ!梱包する物の大きさにもよりますが、ほぼ新聞紙で網羅できます。 グラスなどの食器を梱包する場合は、半分に切って多めに準備すると効率UP!
特に繊細なものは数枚を重ねて巻いていきます。

○プロはこれ!

エアパッキン-緩衝材-プチプチ

富硝子では商品の出荷の際に、茶紙やクレープ紙、ミラマット、エアキャップ(プチプチ)などを使用しています。引っ越し業者さんによっては費用に梱包材が含まれている場合があるので、無料提供が可能か相談してみるのも手!また、少量で100均で販売しているものもあるので、是非参考にしてみてください。


  • タオル、リネン、衣類

新聞紙では大きさが足りない、または非常に割れやすいものはタオルや衣類を使用するとよいでしょう。ガラスのフォトスタンドや額縁などはこれらで巻くと安全です。

  • 段ボール テープ 輪ゴム、ホイル、ビニール袋
段ボール-ガムテープ-布
梱包に絶対に必要な段ボール・テープの他にも、輪ゴム・アルミホイル・ビニール袋などもあると便利。

 

 

Step 2 個別に梱包する

ガラス-包む-包んだ

食器やガラス製品は、それぞれ適切な梱包方法があります。
形状に合わせて包むことと、力が加わると割れやすい箇所を補強することがポイントです。

⇒アイテムごとの包み方・詰め方のコツは「実践編」にて詳しくご紹介します!

Step 3 段ボールに詰める

ガラス-箱-入れる

割れ物を包むことも大事ですが、実はここが一番のポイント!
詰め方で割れるかどうかが決まると言っても過言ではありません。
どんなに丁寧に新聞真で包んでいても、段ボールの入れ方が悪いとガラスは簡単に割れてしまいます。
しかし、決して難しいものではありません。詰め方にはルールがあるのです。

詰め方についても「実践編」にてアイテムごとにコツを記載していますので、ぜひ参考にしてください。


Step 4 ワレモノ注意を明記する

割れ物-ラベル-ワレモノ-注意

実際に運ぶのが引っ越し業者さん、配送業者さんの場合は、段ボールにキチンとワレモノが入っていることを明記することも大切です。
実際運ぶ方が見やすいように、大きく目立つように「ワレモノ注意」「天地無用」「上積禁止」などお知らせしましょう。

配送業者さんに頼めばワレモノ用のシールなどタダでいただける場合もあるので是非聞いてみてください。

 

実践編

~種類ごとの包み方と詰め方~

【基本のグラスの包み方】


① 新聞紙(チラシ・ミラマット)を広げます。グラスを左下の辺りに横に置きます。


② 角を持ち上げてグラスの上にかぶせます。


③ そのまま、クルクルと新聞紙を巻いていきます。

④ 余った部分を内側へグラスの口元に押し込みます。

Point! 余った紙を内側に押し込むことで割れやすい口元が補強されます!

 

【基本の段ボールへの詰め方】

ガラス-段ボール-詰め方
グラス梱包の基本は立てて詰めよう!

グラスの口元を下に向けて詰める場合もありますが、あまりお勧めしません。
なぜなら、たいていのグラスは底の部分の方が厚くて丈夫だからです。
またグラスは横からの力に弱いため、寝かせて入れるのはNG。
必ず立てて詰めるようにしましょう。


【ワイングラスの包み方】


①エアパッキン(新聞紙・チラシ・ミラーマットでもOK)を小さくカットします。

②1でカットした緩衝材を、ステム(脚)の部分に巻き付けます。

▲巻き付け終わった状態

Point! ステム(脚)の空洞をなくすように巻きましょう!
ホイルやビニール袋もおススメです!


③ 基本のグラスの包み方と同じ方法で巻きます。

④ 余った部分を内側へグラスの口元に押し込みます。



ワイングラスの段ボールへの詰め方

ワイングラスは特に口元を下にするのはNG!
寝かせて入れるのは絶対NG!!
必ず立てて詰めるようにしましょう。

緩衝材は多めになりますが、段ボールの内側に新聞紙でグルっと一周 壁を作るように囲ってからグラスを入れるとより安全です。
重くならにように、詰めすぎに注意してください。



【急須・マグカップ・蓋つきの瓶の包み方】


①エアパッキン(新聞紙・チラシ・ミラーマットでもOK)を小さくカットします。


②1でカットした緩衝材を、取っ手や注ぎ口など飛び出している部分にねじるように巻き付けます。


③急須やポットなど飛び出しが2ヶ所ある場合は、それぞれ巻いて空洞ができないようにしましょう!

④急須、マグカップは取っ手に気を付けながら基本の包み方の最初に内側に資材をいれてから包み始めます。


Point! 耐熱ガラスなどの割れやすいポット、急須は特に厳重に補強しましょう。
蓋は紛失しないように上に乗せてテープや輪ゴムで留めるのもおススメです。
この状態をさらにビニール袋に入れてしまうのもオススメ。

Point! 蓋つきの瓶は、本体との間に緩衝材をかませてから蓋をします。
蓋が大きい時や装飾のある場合は別々に梱包します。

 

【急須・マグカップ・蓋つきの瓶の段ボールへの詰め方】


空の段ボールの底に、新聞紙を多めに敷いてから梱包しましょう。
マグカップや瓶は重めのものが多いので、なるべく下の方に配置します。
取手や細かく華奢な細工のある場合は、ビニール袋に空気を入れた手作り緩衝材が活躍します。

緩衝材は多めにして、物は詰め込みすぎに注意してください。

荷ほどきの際に安全に開梱できるように、ダンボールには内容の詳細をマジックペンで書いておくとよいです。


【お皿・ボウルの包み方】

① 新聞紙(チラシ・ミラマット)を広げます。お皿を中央に置きます。

② 四隅を持ち上げてお皿の上にかぶせます。


Point! 同じサイズのお皿は、包んだ状態のものを重ねて もう一度新聞紙で包むとずれにくくなり、強度が増します。

小さ目のお皿は左下に置いて角を持ち上げ、さらにその上にもう一枚お皿を重ねてからデパート包みの要領で包んでいます。


【お皿・ボウルの段ボールへの詰め方】

    お皿も立てて詰め込みましょう。一般的に垂直方向の方が衝撃に強いとされているためです。
    重ねたときに隙間ができないようにしっかりと詰めるのが大事なポイント!
    また、お皿を立てて詰め込んでいくと、ダンボールの内側に隙間が出来づらくなるため、破損しにくくなるというメリットもあります。

     


    【フォトスタンド・大きなうつわ の包み方】

    ① 縁の外側などに装飾のあるものはあらかじめ緩衝材で補強します。


    Point! そうめん鉢などは空洞の部分に詰め物をするものよいです。

    ② 基本のお皿の包み方と同じ方法で巻きます。

    Point! 大きなものは紙ではなく、タオルや衣類などを使うとよいでしょう。

    額縁・大きなうつわの段ボールへの詰め方】

    立てて詰め込みましょう。
    どうしても立てられない場合は、タオルなどのリネン系をしっかり詰めから入れてください。

    段ボールの外には大きく見やすいように「花瓶在中」などと明記すると安全に配送してもらえます。
    重すぎると段ボールごと落としてしまうリスクが上がりますので、重くなりすぎないように、段ボールは詰めすぎに注意


    詰め方のコツとチェック方法

    ■ 重さに注意!
    ガラスはもともと重い材質のため、段ボール入れるとかなりの重さになってします。そのため、大きい段ボールはあまりお勧めしません。
    なるべく小さめの段ボールに小分けにすることで、運搬もラクになり、結果破損のリスクも軽減されます。大きい段ボールかない場合は、箱の半分ほどまでつめてるようにします。上部まで詰めるとその重さで下のグラスが割れる可能性が高くなるためです。半分までつめてあとは緩衝材で埋めるがよいでしょう。

    ■ 重心は真ん中
    段ボールの中心に詰めます。重さに片寄りがないようにすることがとても重要です。運送中の振動の圧が一か所にかからないようにするためです。また重さを均一にすることで、運ぶ際のバランスもとりやすくなり、搬入搬出もスムーズになります。

    ■ 最後にシェイク!
    段ボールに詰め終わって、隙間がないか確認したいときは、梱包後のダンボールを持って振ってみましょう。もし、カタカタと音がするなら、まだ隙間がある証拠です。音がならなければokです。

    ■ テープの止め方と注意喚起

    詰め終わったらテープで口を止めますが、この時もコツが!
    テープは図のように「H」に貼ると強度が増します。
    重さが気になるときはさらに中央に1本貼るとさらに強くなります。

    ダンボールの正面と側面には、割れ物が入っていることを、分かりやすく記載しておきましょう。
    割れ物シールがあれば、目立つ箇所に貼りつけておくことをお勧めします。



    物流センタースタッフからのアドバイス

    Q. ガラス梱包の際に気を付けていることは?
    A. なるべく隙間をつくらないようにしています。
    取っ手や脚付きグラスなど形状的に隙間ができてしまうものは、緩衝材で巻いた上で上下交互に入れて隙間を埋めることもあります。

    Q. 薄いガラスの梱包は?
    A. 新聞紙で巻いたものをさらに新聞紙をかませて段ボールに詰めています。

    Q. 段ボールに詰めるコツは?
    A. なるべくサイズの近いものを並べて入れています。圧が一か所にかからないように分散するためです。

    Q. 出荷の際のアドバイス
    A. 引っ越し業者さん、配送業者さんに「われもの」であることを明確にお伝えすることも大事です。注意喚起シールなどを活用しましょう。

     

    さいごに

    陶器の食器などに比べて割れやすいガラス製品。
    ガラスは一度割れるとほぼ修復が難しく、ケガのリスクも高いため、梱包はやはり気をつかうものです。
    富硝子では長年の経験を活かして特に配送の際の破損には十分に注意を払って、物流センターでは自作の注意喚起シールを貼って出荷しています。


    また、開梱の際の手間も考えた梱包も心がけており、個別梱包の巻き終わりは、粘着力の強いテープは使わない方が開梱がスムーズなので、メンディングテープなどを使用しています。

    引っ越し先やお届けする相手に安全にお届けするためにも是非参考にしてみてください。

    大切なグラスをずっとお使いいただけますように!

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