この記事では、2019年からの人気シリーズ「えどぴかる」の製作秘話や、どのように誕生したのかを、ご紹介いたします。
さらに、その裏側にいた担当デザイナーが、魅力やこだわりについて、楽しくお話ししますので、どうぞお楽しみください♪
江戸硝子えどぴかるとは?
当ショップのブランドTomi CRAFTで2019年から展開している江戸硝子の人気シリーズです。
「もし江戸にリゾート文化がやってきたら…?」をテーマに、ユニークなイラストや色名で展開しています。
東京都指定伝統工芸品「江戸硝子」 に、トロピカルなリゾート文化をミックスしており、江戸とトロピカルをかけあわせた造語「えどぴかる」と名付けました。
並べるとガラスのグラデーションが華やぐ、かき氷のシロップカラーです。
おすすめしたい5つのポイント
「えどぴかる」を手にすれば、いろんな楽しみ方があります。
企画するときにこだわった、使用感やパッケージから感じられる魅力を5つ、ご紹介します。
1.かき氷色のカラー展開
えどぴかるは「かき氷カラー」で5色のカラー展開。
いちご、レモン、りんご、ラムネ、マンゴー…と、夏祭りの屋台で見覚えのある色名が並んで、ワクワクします♪
2.お水を入れるだけでトロピカルに
お水を入れるだけでトロピカル風になる、グラデーションの配色にこだわりました。
江戸硝子はハンドメイドガラスで、ガラスが少し厚い分、お水を入れたときの光の屈折や反射がキラキラしてきれいです。ガラスに色がついていることで、色が映り込んでいっそう美しく見えます。
3.ブランドのリーフレット&シール
カプセルトイの説明書のように、小さくても情報が詰まったブランドリーフレットをつけました。こだわりの六角形。
また、トミクラフトの江戸硝子にしか付いていない、丸いシールも貼りつけています。
プレゼントにしても、江戸硝子の歴史や価値が伝わるよう、小さな工夫をいれました。
4.底の六角形
金型から作ったオリジナル形状は、底が六角形。かき氷をテーマに色づけした「えどぴかる」シリーズなので、氷の結晶をイメージして六角タンブラーをデザインしました。
ふつうにコップとして使っているときは気がつかないですが、洗って底面を上にしたときにもうれしくなるようなデザインです。
5.パッケージ
富士山が印象的なトミクラフトのブランドロゴが、白い箔押しでエンボスになって入っています。
紙は少し風合いのあるマットな白段ボールにしました。
デザイナーの想い
江戸硝子と聞けば、頭の中でイメージされるのは、黒や赤のトラディショナルな切子が一般的でした。
そのイメージを、ガラリと革新的に変えるため、突飛なアイデアを会議に出してみました。
「もし、トミガラスが江戸時代にタイムスリップしたら…。リゾート文化を持ち込んで、お洒落な江戸っ子たちにトロピカルなガラスで商売すると思います!」
笑われてもおかしくない、このはじけたアイデアが採用されたのは、自由でおおらかな社風があったからです。
制作秘話
「えどぴかる」が商品になるまでには、何度も試作を重ねました。
サイズ感・色の組み合わせなど、サンプルを作って確認しました。
同時に、コンセプトや世界観も詰めてゆきます。
形状を決める
ここからは六角タンブラーが生まれるまでをご紹介しましょう!
はじめは背が低い、カップサイズでサンプル作成していました。
左がファーストサンプルです。
底も六角形ではなく、ふつうの丸い底面でした。
オリジナルで金型を作成するにあたり、
「かき氷」のコンセプトに合う、氷をイメージした印象的な六角形にしました。
イラストを描いてストーリー性を持たせる
「えどぴかる」の雰囲気を盛り上げるイラストは、Tomi CRAFTのデザイン担当のわたくしが、楽しく描かせていただきました!
ipadを使い始めたばかりで、ざっくりしたタッチが気に入っています。
誕生したとき
工場へ見学のようす
いよいよ生産!
日本でも数少ない、江戸硝子の窯元・岩澤硝子さんで作られます。
指定窯元でつくられたガラスだけが江戸硝子と名乗れ、生産できるのは現在東京都や千葉県に6社のみです。
色パウダー2色が用意されています。ガラスのたねにポン、ポンっとつけてゆきます。
遠心力で硝子のたねを伸ばして作る「スピン製法」。グルグルと高速で型が回っています。
高温のグラスは赤く、色はオレンジです。
展示会のようす
さて、アイテムが完成したら、いよいよ展示会です!
こちらはギフトショーに出たときのトミガラスのブース。
ギフトショーとは、年に2回開催される日本最大規模の国際見本市です。ギフトや雑貨など多くの商品がお披露目されます。
ブース正面に「えどぴかる」を吊り下げることで、アイキャッチをつくりました。
実は、使用しているのは背の低いファーストサンプル。
重さが量産品よりも軽いので、ディスプレイにちょうど良かったです。
専用の台や、ミニのぼりなどの販促POPを作って、お客さまにアピールしました。
おかげさまで発売開始した年から、反響をいただき、現在に至ります。
お客さまの声
ここからは、お客様の声をご紹介いたします!
実際にふだん使いにえどぴかるを愛用してくださっているお客様のSNSでの投稿です。
細かい色名まで、ご覧くださった歩桃さん。今日一目惚れでお迎えしたグラスがめちゃめちゃ素敵なんだよ☺️
— 歩桃 (@gr_not) October 2, 2021
江戸硝子の「えどぴかる」
お迎えしたのはラムネカラーだけど他の色も素敵すぎたからあといくつか欲しい〜〜!! pic.twitter.com/wPhyP1iK6e
ブランドリーフレットを手に取った瞬間からワクワク感が抑えきれない様子が伺え、とてもうれしいです!
「あといくつか欲しい〜〜!!」は最高の誉め言葉。コレクション性があるのも、Tomi CRAFTの魅力ですね。
紫陽花ときれいに窓辺で撮影してくださった元気天国さん。こないだ買っためちゃくちゃ綺麗な江戸硝子のコップと散歩途中の紫陽花。危なくなければ植物も触らせてあげてる。 pic.twitter.com/5nQQeFO9fv
— 元気天国 (@usinekosan) May 26, 2023
窓の外に広がる開放感ある風景と、六角タンブラーの美しいカラフルなグラデーション。この素敵なグラスは、単に飲み物を注ぐだけでなく、飾るだけでも楽しめるんです。その存在感がお部屋に華やかさを与えてくれることを、教えてもらった1枚です。
おすすめのえどぴかるシリーズ
ここからは、実際のアイテムと一緒におすすめのえどぴかるシリーズをご紹介いたします。
六角形タンブラーはオリジナル形状。氷の結晶をイメージした六角形です。
底が六角形で口が円形の一風変わった形。170ml入り、スタンダードなコップとしてお使いいただけます。
六角はしおきもオリジナル形状です。
ぷっくりした六角形がみずみずしく、美しい!
へこんだ部分に箸をおくことができます。
カラフルに色を集めると、砂糖菓子みたい!
かき氷カラーが、おいしそうな雰囲気を出してくれます。
実際の使用イメージ
えどぴかるの六角タンブラーは、かき氷にも最適です。
タンブラーの高さが、盛り付けを華やかに演出してくれます。
夏のかき氷にぴったりで、カラフルなグラデーションが食卓を彩り、楽しい雰囲気を作り出します。
スムージーにもおすすめです。写真手前は「りんご」カラーの六角タンブラーを使用。グリーン×レッドが調和して、キウイの断面がきれいに見えるんですよ!
フルーツをより鮮やかに引き立て、食卓に華やかさをプラスしてくれます。
涼しげな雰囲気を演出するためには、「ラムネ」のブルーがGOOD。このグラスでソーダを楽しむと、さわやかな気分が広がります。
炭酸が夏の暑さを癒してくれます。ぜひ「ラムネ」に強炭酸を注いで、目と喉で心地よい爽快感を味わってみて。
「レモン」色のえどぴかるの六角タンブラーに、コーラを注いだシーンは、
まるで夏の日差しがそのままグラスに閉じ込められたようです。
レモン色がコーラの泡立ちを一層鮮やかに引き立て、爽快さを倍増させます。夏の瞬間を満喫できますよ!
まとめ
このように、「えどぴかる」シリーズが2019年から愛されている背景をお話しました。
このシリーズは、トミガラスの企画部とデザイナーが心を込めて作り上げた特別なアイテムです。
それを、東京都墨田区の職人たちが一つ一つ手作業で作り上げ、
トミガラスにて丁寧にパッケージしてお届けしています。
ぜひ、ちょっと変わったユニークなギフトを探していらっしゃる方に「えどぴかる」はおすすめです。
また、暑い夏の日の終わりにリラックスしながら楽しむ晩酌にもご活用いただけたら、とても嬉しいです。
この記事を書いた人
東京・亀戸で70年以上ガラス屋をしている富硝子株式会社(Tomi Glass Co.,Ltd.)のデザイナー。富硝子はカラーチェンジグラス・トミレーベルや、江戸硝子や小樽硝子などのハンドメイドガラスなど、おしゃれで豊富なアイデアが楽しいガラス屋です。