耐熱ガラスの見分け方:電子レンジ、食洗機OKかどうか、見た目だけではわからない!

耐熱ガラスの見分け方:電子レンジ、食洗機OKかどうか、見た目だけではわからない!

「このグラス、電子レンジで温めても大丈夫かな?」

そんな風に思ったことはありませんか?手持ちのガラスが耐熱ガラスかどうか、特に電子レンジで使用できるかどうかわからないという悩み、多くの方が抱えているのではないでしょうか。


実は、耐熱ガラスと普通のガラスを、見た目だけで見分けるのはとても難しいのです。この記事では、耐熱ガラスの見分け方や、電子レンジでの使用について詳しく解説します。これを読めば、あなたのガラス製品が安全に使えるかどうか、より確実な判断ができるようになるでしょう。


身近だけど知らない、電子レンジの性質

電子レンジは、食べものを電磁波という見えない波の力であたためる家電です。

この電磁波の中でも、電子レンジは「マイクロ波」という種類の波を使っています。

どうして温まるの?

マイクロ波は、食べものの中にある「水の分子(すいぶんし)」を動かす力を持っています。

水の分子がブルブルとふるえることで、摩擦が起こり、熱が生まれます。

だから、電子レンジの中で食べ物が内側から温まるんです。


どんな食器が使えるの?

電子レンジに入れていいもの・いけないものがあります。

◎ 使っていいもの

「電子レンジ対応」と書かれた陶器やガラスのうつわ

耐熱プラスチックの容器


✖ 使ってはいけないもの

金属(スプーン、フォーク、アルミホイルなど)

→ マイクロ波を反射して、火花が出たり、火災の原因になったりします。

金色や銀色の模様がついたお皿も同じ理由で危険です。


どんな料理が温められるの?

カレーやごはん、スープ、お弁当など、ほとんどの家庭料理をあたためられます。ただし、からっと焼く料理(たとえばトーストや焼き魚など)は苦手です。

表面をパリッと仕上げたいときは、オーブンやトースターのほうが向いています。


つまり、電子レンジは「マイクロ波で水分をふるわせて温める機械」。

安全に使うためには、使える食器を選ぶことがとても大切なんです。


耐熱ガラスとは?

耐熱ガラスは、高温に強く、急激な温度変化にも耐えられるように作られたガラス製品です。一般的に、ホウケイ酸ガラスが使用されています。電子レンジやオーブンで使えるなど、使い勝手の良い点が魅力です。

耐熱ガラスとソーダガラス(普通のガラス)の違い

耐熱ガラスとソーダガラス(普通のガラス)は、見た目だけではほとんど区別がつきません。しかし、その素材や性能には大きな違いがあります。


素材:耐熱ガラスは、熱に強いホウケイ酸ガラスなどで作られています。一方、普通のガラスは、ソーダガラスで作られており、熱に弱く、急激な温度変化で割れてしまう可能性があります。


性能:耐熱ガラスは、高温に強く、急激な温度変化にも耐えられるため、電子レンジやオーブンで安心して使用できます。普通のガラスは、熱に弱いため、電子レンジやオーブンでの使用は避けるべきです。


耐熱ガラスかどうかを判断する方法

では、手持ちのガラスが耐熱ガラスかどうか、どのように判断すればよいのでしょうか。


ラベルや説明書を確認する: ガラス製品の底や側面に、「耐熱ガラス」「電子レンジ対応」などの表示や刻印がないか、よく確認してみましょう。小さな文字やマークで見落としがちなので、ご注意を。

メーカーに問い合わせる:製品名や購入店を参考に、メーカーに直接問い合わせてみましょう。製品の写真や特徴を伝えることで、より正確な情報を得られる可能性があります。

材質を調べる:ガラスの材質が分かれば、ある程度耐熱性を推測できます。ただし、プロでも材質を見た目だけで判断するのは難しいです。

色を見てみる:ガラス屋のわたしたちから見ると、耐熱ガラスは普通のガラスよりも黄色く見えます。フチや底肉、割れたときの断面がわかりやすいです。淡い黄色に見えるのは、耐熱ガラスの素材「ホウケイ酸ガラス」の原料のためです。


電子レンジで使えるかどうかを判断する方法

電子レンジで使えるかどうかを日常で判断するために、電子レンジで使えないガラスを知っておくことがポイントです。


電子レンジで使えないガラス食器

知っておいて損はない、電子レンジで使えない食器を3つ例にあげてみます。初めて一人暮らしする人や、キッチンに立ったことがあまりない人は押さえておくと役立ちます!

金色や銀色の模様がついた食器

火花が飛ぶ原因となりますので絶対に入れてはいけません。当ショップのフチに金を巻いたシリーズも、本物の金やプラチナを含んでいます。この火花が火災につながるおそれもありますので、電子レンジでの使用は避けるようにしましょう。


普通のガラス(ソーダガラス)

コップやデザート皿など、冷たい飲み物用に作られたガラスです。急に温めると、温度の変化に耐えられず、割れてしまうことがあります。一般的にソーダガラスは耐熱温度差60℃と言われ、電子レンジは約100℃を超えるほど温められますから、大幅に超えています。また、当ショップの江戸硝子も素材はソーダガラスのため、電子レンジに入れると割れてしまいます。



ヒビやキズのあるガラス

目に見えない小さなヒビでも、加熱中に広がってパリン!と割れることがあります。古くなったガラス食器や、欠けたものは使わない方が安心です。


「これレンジOKなの?」と少しでも疑問を感じたり、お手持ちの耐熱ガラスかどうかが分からない場合は、電子レンジでの使用は避けるべきです。万が一、耐熱温度を超えて加熱すると、割れてケガをする可能性があります。


耐熱ガラスでも注意!ダブルウォールグラスはレンジOKとNGがある理由

ダブルウォールグラスとは

ダブルウォールグラス(二層ガラス)は、内側と外側のガラスの間に空気の層があるグラスです。見た目が美しく、保温・保冷性に優れていて、外側が熱くなりにくいのが特長です。


仕組みと注意点

空気の層が断熱・保冷の役割を果たしますが、耐熱性や作り方はメーカーごとに違います。


電子レンジで使えるタイプ

「電子レンジ対応」「レンジOK」と書かれているもの。

代表的なブランドだと、ボダム(BODUM)の一部シリーズなどが該当します。

このような製品は、電子レンジに耐えられるよう、特殊な設計をされています。


電子レンジで使えないタイプ

耐熱ガラスでないもの。

底に空気穴や樹脂留めがあるタイプ(加熱で外れる・破裂する可能性があります)。

パッケージや本体に「電子レンジ使用不可」と書かれているもの。これらは加熱で割れたり破裂したりする危険があります。


安全に使うためのポイント

表示を必ず確認:「電子レンジ対応」「Microwave safe」などが書かれているかを見る。

表示がない場合は使わない:不安があるときはレンジでの使用を避けましょう。

急な温度変化を避ける:冷蔵庫から出したまま加熱したり、熱いまま冷水をかけたりしない。

ヒビ・欠けがあるものは使わない:小さなキズでも加熱で割れることがあります。


ダブルウォールグラスはとても素敵な食器ですが、「電子レンジOK」と明記されたものだけを使うのが安心です。表示がないものや傷のあるものは、レンジ使用を避けましょう。
※当店のダブルウォールグラスは電子レンジ非対応です。


電子レンジOKの耐熱ガラスでも、油の多いものは注意

耐熱ガラスのマグやボウルで、油や糖の多いものは電子レンジを避ける方が無難です。

ホットチョコレートやシチュー、カレー、スープなどは、油や糖分を多く含んでいるため、電子レンジの中で100℃を超える可能性があります。


耐熱ガラスでプリンのカラメル作りは危険!

例えば、砂糖と水を耐熱ガラスに入れ、カラメルを電子レンジで作るとします。

糖がカラメル化を始めるのは約160℃~。一方、一般的に耐熱ガラスは温度差が120℃〜のものです。カラメルソースは180℃以上の高温になるため、温度差200℃の耐熱性がないとガラスが割れてしまうことがあります

しかも局部的に高温になりやすいため、リスクが高いです。

「耐熱ガラス」といっても、 調理に使える耐熱差200℃のものから、日常使いの120℃程度のものまでさまざまです。お手持ちのものが「耐熱ガラスであることはわかっているけれど、温度差まではわからない」というのであれば、電子レンジで温めるのはお茶やコーヒーを1〜2分ほどにとどめましょう。



まとめ

正直言って、ガラスのプロであるわたしたちでも、耐熱ガラスとそうでないものを製品そのものだけで見分けるのはとても難しいです。透明感、色、重さ、響き…ガラス特有のヒントはいくつかありますが、万が一、火傷やケガにつながっては大変ですので、直感に頼らず、耐熱ガラスかどうかは必ず工場やメーカーに確認するようにしています。もし、ご自宅のガラス食器の耐熱性がわからない場合は、「ガラスは電子レンジに入れないこと」が一番安全な近道です。

少しでも不安な場合は、レンジ使用を避けましょう。安全に使って、見た目も使い心地も楽しんでくださいね。

 

▲電子レンジはお使いいただけません
▲電子レンジで温められます。
▲電子レンジで温められます

この記事を書いた人
東京・亀戸で70年以上ガラス屋をしている富硝子株式会社(Tomi Glass Co.,Ltd.)のデザイナー。富硝子はカラーチェンジグラス・トミレーベルや、江戸硝子や小樽硝子などのハンドメイドガラスなど、おしゃれで豊富なアイデアが楽しいガラス屋です。

当店:トミガラス公式オンラインショップ

Text,Photo,Illustration:Okanami
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