業界初!「江戸切子キリッカ」誕生。ガラスが好きな次世代に贈る「北欧×切子」の新感覚デザイン

業界初!「江戸切子キリッカ」誕生。ガラスが好きな次世代に贈る「北欧×切子」の新感覚デザイン

富硝子株式会社の食器ブランド「Tomi CRAFT(トミクラフト)」から、新感覚のテーブルウェア「江戸切子キリッカ」が誕生しました。これは遠心力でつくる、国の伝統的工芸品「江戸硝子(えどガラス)」に、「切子」をカットした業界初の試み。ぽってりしたガラスにほどこされた繊細なカット。涼やかな北欧の自然を思わせる色合いと、日本の技がとけあった、新しい感性の江戸切子のグラスです。

 

江戸切子キリッカとは?伝統から生まれた新感覚のテーブルウェア

伝統の技に、北欧インテリアのような丸みを帯びた優しいフォルムをかけ合わせて生まれた「江戸切子キリッカ」。富硝子と東京の職人が心をこめて手がけた、新感覚のテーブルウェアです。

伝統的なガラス工芸を、もっと身近に楽しんでいただくために。キリッカが提案する、江戸切子のあらたな一面をご紹介します。


江戸切子とは


江戸硝子(えどがらす)に切子加工を施したもので、江戸切子組合が定める職人が加工した品だけが「江戸切子」と呼ばれます。その伝統的な技法や紋様は、職人により進化を遂げながら受け継がれ、「東京都指定伝統工芸品」と「経済産業大臣指定 伝統的工芸品」に認定されています。


江戸切子キリッカ

Tomi CRAFTのオリジナルデザイン「江戸切子キリッカ」。北欧の自然を思わせる、ほのかで涼しげな2色のグラデーションがかわいらしいグラスです。独特な「ゆらぎ感」のあるこの江戸硝子を、柔らかで優しい、新感覚デザインの江戸切子にしました。


グラスの特徴

溶けたガラスを遠心力で延ばす「スピン成形」のガラス器は、表面に波紋のような細かい凹凸があります。手作りならではの揺らいだフチ形状や、ぽってりした厚みも魅力です。


カットの特徴

切子というと、継ぎ目なく模様が入った、凛としたイメージが浮かびますが、キリッカは隙間をあけた柄や、丸みのあるカットを入れた、ほっこり優しげな切子模様が特徴です。


カラー

やさしく涼しげな2色のパウダーで色づけしました。


東京の職人技と、長年にわたりガラスづくりに向き合ってきた富硝子のノウハウをひとつに。ガラスを愛する方に、憧れの切子を身近に楽しんでいただきたい想いでつくりました。



今までの切子ガラスとの決定的な違い

なぜ「江戸切子キリッカ」を"新感覚”と呼ぶのか…それは、切子をカットする前の「グラスの成形」に秘密があります。従来の江戸切子の多くは、「被せ(きせ)ガラス」という、ガラスの外や内に色をかぶせた「吹きガラス」にカットを施します。パキッとした赤、青、黒のような色ガラスを使用します。これにより、下の透明なガラス層が現れ、色との美しいコントラストが生まれます。3万〜10万円以上し、大変高価で今までの切子グラスは「作品」に近いです。

一方、キリッカは「スピン成形」という方法で作られた江戸硝子にカットをほどこしています。スピン成形とは、遠心力でまわる機械にガラスのたねを落として、形をつくる技法です。こうすることでニュアンスカラーやぽってりとしたクラフトガラスならではの温かみある風合いに。カットは従来の江戸切子と同じく、東京都の切子職人がカットしています。やわらかく優しい輝きが実現しました。

どちらの江戸切子もそれぞれの良さがあります。キリッカは若者も少し背伸びしすれば購入できる一万円以下の「かわいい江戸切子」をめざしました!

北欧の風をまとう、新感覚の「切子」デザイン

「江戸切子キリッカ」最大の特徴は、自然がモチーフ北欧風デザインです。今までの切子にはないふんわりした印象。隙間を活かしたぬけ感あるデザインにしました。光をやわらかく反射する丸みのある優しい表情が魅力。自然界の光、水のきらめき、植物のシルエットなどを彷彿とさせる図案はTomi CRAFTデザイナーのオリジナル。

次の世代へ。作り手が「新しい切子」に込めた想い

「江戸切子キリッカ」には、「次の世代の人々に認めてもらうための『新しい』切子」を作りたいという、わたしたちの想いが込められています。従来の切子ガラスは、赤や瑠璃色といった伝統的な色合いや重厚なデザインから、どうしても年配層向けというイメージが先行しがちでした。「素晴らしい日本の伝統技術なのに、このままでは遠い存在になってしまう」。そんな危機感から、この企画は始まりました。実際、東京都のガラスを製造・加工する現場はここ10年以内につぎつぎと閉まり、マンションや駐車場になっています。わたしたちがガラス職人とお客様をつなぐことで、若い世代にも、もっと気軽に日本の伝統技術の良さを感じてほしい。そのために、少し背伸びすれば手が届く価格帯と、今のわたしたちの暮らしに馴染むデザインを追求しました。キリッカは、伝統への尊敬と、次世代への架け橋になりたいという願いを込めた、新しい時代の切子なのです。

 

ガラスの現場とお客様を繋ぐ。Tomi CRAFT(トミクラフト)のものづくり

キリッカのような製品開発が可能なのは、わたしたちは、東京をはじめとする日本各地の食器にまつわる協力工場と強い信頼関係があるためです。東京のガラス屋さんを行き来する、富硝子ならではの企画でした。今回のキリッカも4つのガラスの現場を経て約1年がかりで開発し、完成しました。
ここでは、東京都で認定されている「江戸硝子(えどがらす)」についてと、キリッカでもお世話になった2つのガラス屋さんをご紹介します。

江戸硝子とは?

江戸硝子とは、江戸時代からの製法を守る「一般社団法人東部硝子工業会」で認定された窯元で作られた製品をいいます。

たとえ東京産のガラスでも、東京都伝統工芸品の窯元でつくられたガラスでないと「江戸硝子」と名乗ることはできません。

Tomi CRAFTの江戸硝子の特徴は?

Tomi CRAFTの江戸硝子の特徴は、成形直前の透明のガラスに、手作業で色粉( パウダー) や色チップをまぶして色づけする手法を得意としており、色の組み合わせや入れ方で生まれる多彩な表現が魅力です。

江戸硝子の窯元・岩澤硝子


江戸硝子を生産する岩澤硝子では、遠心力でタネを延ばすスピン成形をはじめ、伝統工芸士監修のもと職人が機器とガラスを巧みに扱い、 手工業的な工程で製品を手作りしています。

玻璃匠 山田硝子でカット


キリッカは、墨田区にある「玻璃匠 山田硝子」でカットしています。直線的なカットを施し磨き上げる「江戸切子」と、表面を柔らかく浅く削り、濃淡で絵柄を描く「花切子」。その両方の技法を駆使できる数少ない工房です。

このようにTomi CRAFTは「クラフトガラスで自由で遊び心ある発想とデザイン」をブランドとして大切に、ものづくりに取り組んでいます。わたしたちの役割は、ガラス食器をデザインするだけではありません。高い技術力を持つガラスの現場の職人さんたちと、素敵なガラス食器を探すお客様とをつなぐこと。そして、ガラスという素材が持つ価値を、たのしく伝えていくこと。この想いこそが、Tomi CRAFTの原動力となっています。

こだわりのカラーリング

キリッカは、色鮮やかながらも目に優しい2色のパウダーカラーで色付けされています。晴れ渡る空と星のきらめきを表現した「ブルー」、木漏れ日のような「エメラルド」、重なり合う花びらと露の輝きを写した「ライラック」。いずれも自然がモチーフとなった色彩が、北欧風のデザインと相まって、食卓を豊かに演出します。

ブルー(コバルトブルー×薄い水色
大きく広がるラインと、小さな星を並べて光の冴える夜空を表現しました。水色がツヤ消し半透明になり、ひんやり霜のよう。


エメラルド(エメラルドグリーン×スカイブルー)
弓なりのカットで描いた、葉っぱのようなモチーフ。中を覗くとパッと広がって見えます。透明パウダーで瑞々しい色合い。

ライラック(パープル×薄い水色
「七宝」は円を重ねて連ねた文様で、円満や調和を意味します。雪や氷が宝玉のように輝き、雫が落ちる様子を切子にしました。

伝統にときめきを添えて 。 キラキラシールで遊び心を。


パッケージはこれまでの工芸品のイメージをやさしくくつがえす遊び心を。キラキラと光を受けて輝くオーロラのシールを採用。まるで子どもの頃、シールやカードで「当たり」が出たときのような、小さなときめきとワクワク感を込めて。


キリッカはギフトボックス付き。ロゴはオーロラの箔押しで仕上げました。

おまかせラッピング(220円)も承ります。大切な人へのお誕生日や記念日、また熨斗ラッピング(330円)も可能ですのでお祝いや内祝いにもぜひお使いください。

まとめ

キリッカは、東京都の職人が手がけるやさしいフォルムの江戸切子。今までの高価な被せ(きせ)ガラスとはちがい、スピン成形でつくられた江戸硝子に江戸切子職人がカットをほどこすことで、手に取りやすい価格と温かみを両立しました。

それぞれの技法には、それぞれの美しさがあります。若い世代にも、日本が誇る伝統工芸の魅力をもっと身近に感じてほしい──そんな想いを込めて、Tomi CRAFTが1年をかけて開発した新しい江戸切子です。伝統を新感覚デザインで楽しむ。そんな新しい体験を、「江戸切子キリッカ」で始めてみませんか。


2025年6月13日(金)WEB限定発売開始です。

トミガラス公式オンラインショップ
https://tomi-glass.online

 

富硝子株式会社(トミガラス/Tomi Glass Co.,Ltd.)

1948年、東京都江東区で日本製香水瓶の輸出業からスタートし、70年以上オリジナルアイテムやOEMなどガラスアイテムを生み出し続けています。
本社は江東区亀戸(かめいど)。
江戸硝子小樽硝子などのハンドメイドガラスから、プリントにこだわったグラス・トミレーベル耐熱ガラス、ガラスのトロフィーなど、おしゃれで豊富なアイデアが楽しいガラス屋です。


text,photo:Okanami

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